運命を変えるため。
どう考えても過去に会ったことがあるのか、そうでなければ俺の心を読んでいるとしか考えられないような言動が、本当にたくさん見受けられた。
俺が歌い終わると明日香は満面の笑みを浮かべて小さく拍手をし、嬉しそうな表情のままマイクを取った。
そんな明日香を見ながら、これから彼女と付き合っていくのなら、些細な疑問も解決したいと思った。
そしてそれ以上に、自分のことは全て見透かされているのに、明日香のことは何一つ知らないという事実を、悔しくも感じていた。
明日香が歌い終わり、次の曲を入れようとしない俺の顔を不思議そうに覗き込んできたところで、漸く疑問を投げ掛けることが出来た。