運命を変えるため。
言葉の意味を理解出来ない、という状況に、この二日間でもはや慣れつつあった。
試された、そう気付くには、然程時間は掛からなかった。
そしてそう気付いた瞬間には、明日香の寂しげな表情など気に掛けてやれる余裕もなかった。
「私とゆうちゃんの間にある信頼関係は、まだこの程度なの。私は常識では有り得ない体験をしたけど、話したってまだ信じてもらえない。だから……」
「もう、帰ろうか」
明日香の話は、ほとんど俺の耳には届いていなかった。話を遮って提案する俺に、明日香は相変わらず寂しげな表情のまま従った。