運命を変えるため。
不思議な彼女への、想い。
カラオケを出た俺達は、ほとんど言葉を交わさないまま駅に辿り着いた。
「じゃあ」
「うん……」
何か言いたげな明日香に気付かないふりをし、何度か振り返りながら改札を通る彼女を見送ってから、俺は大きくため息をついた。
俺も帰ろうかと思ったが、そんな気にもなれず、だからといって一人でうろうろ出来るほどの土地勘もない。
思案に暮れていると、ふいに後ろから聞き慣れた声で名前を呼ばれた。
「何してんだよ、こんなところに突っ立って」