運命を変えるため。
「謂われのない誤解はされたくないとか言ってさ、人の気も知らないで……」
俺が大葉の言葉の真意を図りかねていると、大葉はそんな俺には構わず、手を上に伸ばしたかと思うと、店の入り口に向かって差し招く仕草をした。
つられて入り口を見ると、想像通りの人物が居た。
俺達を見付け嬉しそうに近付いてくる彼女は、学校で見慣れた制服姿ではなく、白のワンピースにカーディガンというシンプルで清楚な出で立ちだった。
「早かったな、赤石」
赤石は俺達の居る席まで来ると、何のためらいもなく、俺の横に座った。
先ほどの会話の影響もあり、つい大葉の表情を窺ってしまったが、大葉は至って普段と変わらない様子だった。