運命を変えるため。
一人で焦って気を回していたのが馬鹿らしく思えるような、極めて単純明快な答えだった。
それにしては何かを含んだような言い方だったようにも感じたが、本人が言っている以上、他意はないのだろうと結論付けた。
その後すぐに席に戻ってきた赤石と三人でしばらく談笑を続け、気分も大方落ち着いた頃、俺達は帰途に着いた。
家に帰り着替えを済ませて、俺はすぐにベッドに横になった。
何の気なしに携帯を手に取ると、気づかぬ間に着信とメールが一件ずつ入っていた。
どちらも、明日香からのものだった。