運命を変えるため。
少し慣れてきた早朝の電車に乗り、散り際の桜並木の続く道を歩いて学校へ向かう。
校舎内へ続く昇降口では、今まで気にも止めなかった、一学年上の先輩方が利用している靴箱のスペースに目がいった。
各々の教室へ向かう生徒で賑わうピークの時間であるようで、かなりの人数が教室へ続く階段へ次々と飲み込まれていく。
その波の中に想う人影を探したが、見付けることは出来なかった。
例に漏れず教室へ上がった俺は、いくつかの見知った顔に軽く声を掛けると席に着いた。
そんな俺に声を掛けてくるのは、我が物顔で前の席を陣取っている赤石だった。