運命を変えるため。

 ぼうっと窓の外を見ていた俺を現実に戻したのは、他でもない、赤石だった。

「ねぇねぇ、明日の放課後、大葉と彩ちゃん誘ってカラオケ行かない?」

 赤石の言う「彩ちゃん」というのは、恐らくクラスで最近赤石が行動をよく共にしている、佐藤彩だろう。
 俺は二つ返事で了承し、再び窓の外に気を移しかけたところに大葉が登校してきた。

 赤石は何故か少しむくれた顔をしながら大葉に席を明け渡し、先ほど俺に提案してきた話を大葉にも伝えていた。

「どうして今日じゃないんだ?」
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