運命を変えるため。
まだ四月も中旬で例年に比べ肌寒い日が続いているので、一限目から桜も散りきらぬ寒空の下での体育というクラスを気の毒に思いながら、視線を戻そうとした。
刹那、目の端に自身が求めていた姿をふいに捉えたように感じ、一際目を見開いて外の集団に注目する。
見慣れたポニーテール。
それは見間違う理由もなく、自身の彼女で一学年上の不思議な先輩、明日香だった。
明日香は多くの友人に囲まれ、その周りだけ実際の気温に比べて暖かく朗らかに見え、時折揺れるポニーテールに胸をくすぐられるような感覚を覚えた。