運命を変えるため。
不思議な彼女との、距離。
一日の授業が全て終わり、帰宅の時間になった。
クラスメイトの多くは部活動の見学へ行くようであったが、アルバイトをしたいと考えていた俺は、帰宅を選んだ。
高校に入学して以来、明日香のいない帰り道は初めてであることに、今さらながら気付く。
僅かに寂しさを感じながら、行くあてのない俺は当たり前に直帰することになった。
駅の構内で目に止まった求人情報紙を数冊手に取り、目を通しながら電車に揺られているとすぐに降りるべき駅に辿り着いた。