運命を変えるため。

「明日、一緒に帰れる?」

 短く端的に誘いを示すメールを送ってきたのは、明日香だった。
 俺は承諾の内容の文を打ちかけたところで、今朝の赤石達との約束を思い出し、打ちかけの文を消して新たな文を作り直した。

「友達と約束があるから、ごめん」

 その日はそれ以上、俺の携帯が着信音を鳴らすことはなかった。
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