運命を変えるため。
その後、無事教室に辿り着き、確認後指定されていた席に着くと、既に着席して居た前の席の男子生徒が話し掛けてきた。
「どこの中学出身?」
内容は至ってシンプル且つ、有りがちなものだったが、登校時から未だ一言も発していない俺にとっては、話し掛けてもらえたという事実が嬉しかった。
俺が地元の出身中学を答えると、先程までそいつと話していた女生徒が元より大きな目を更に見開いた。
「え、珍しいね!」
俺の出身中学からこの高校へ進学する人は本当に少ないらしく、彼女の反応は決して不思議なものではなかった。