運命を変えるため。

 セットしていた携帯のアラームで目が覚めたのは、平日より幾分遅めの時刻であった。
 いつもより少しだけ爽やかに見える服を選び、清潔感を与えるように髪型も丁寧に整えた。

 たかだかアルバイトの面接、しかし俺は思うこともあり、今日面接を受ける場所でどうしても働きたかった。
 予定より少し早めに家を出た俺は、まず証明写真を撮り、持参した履歴書に貼り付けた。

 駅へ向かい電車に乗ると、いつも登校時に降りる駅より二駅手前で下車する。
 そこから五分も歩かずに目的の場所に着いた。
 ブラウンのシックなドアの手前に小さめの立て看板が出ており、そこに手書き風の書体で店名が書かれている。

 茶丞―SASUKE―
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