運命を変えるため。
俺がアルバイトに応募した、個人経営の小さな喫茶店だ。
軽く深呼吸をした俺は、心の中で気合いを入れ、ドアを引いた。
店に一歩入ると、感じの良い年配の女性が出てきた。
「いらっしゃいませ」
「昨日連絡させていただいた、小林です」
意識してはっきりと自分の名前を伝えると、その女性は笑顔を深めて俺を店の一番奥の席まで案内した。
「主人を呼んでくるから、少しだけ待っていてちょうだいね」
程なく奥から出てきたのは、これもまた人の良さそうな笑顔の男性だった。