運命を変えるため。

「……良いお店だな」

「ありがとう」

 一人言のつもりで呟いた言葉に返事があり、慌てて振り向くと、そこには最初に案内をしてくれた女性が居た。
 その手にはチーズケーキの乗ったお皿が二つ。それをテーブルに置くと、彼女はお茶目な笑顔を見せた。

「褒めてくれたお礼に、チーズケーキもサービス!」

 明らかに発言以前に用意されていたそれを見て、俺も笑顔とお礼を発した。
 そしてそのまま女性は向かいに座った。
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