運命を変えるため。

 俺は開いていた携帯を閉じ、ポケットにしまった。
 そしてその手で、鞄の中から、メニューを写してきたメモ帳を取り出した。

 明日からのアルバイトに備えて、少しでもメニューを覚えておこうと思っての行動だ。
 これが意味を成すのかは定かではないが、少しの空き時間でも何か出来ることをしていたかった。

 手書きで写したため、メモ帳に書かれている文字たちはすんなりと頭に入っていく。
 学校の授業もこれだけ意欲を持って取り組めば、もっとましな成績表を手に出来るのに、なんて少し自虐的に感じたのはここだけの話だ。
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