運命を変えるため。
不思議な彼女の、関せぬ場所。

 どこに寄るでもなく帰宅した俺は、これまた特別何をするでもなく土曜日の午後を過ごした。
 これからアルバイトは、平日は火、水、金曜日の放課後、さらに土、日曜日と祝日は予定さえなければ昼前から閉店まで働かせてもらうことになった。

 少しハードだと感じるくらいが丁度良い。
 テスト前などは適宜休みを取っても良いと、店長も融通を利かせてくれるようだ。

 ゆっくり過ごした土曜日の翌日、つまり日曜日。
 約束の時間より早くに、俺は件の喫茶店の前に居た。

 茶丞―SASUKE―

 まだ何度も見ていない、店のお洒落な看板がより身近な物に感じるのは、自分がこの店の関係者になったからだろうか。
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