運命を変えるため。
ホールに出てからお昼の休憩まで、目まぐるしく時間が過ぎていった。
メニューを覚えてきたことが幸いしたのか、特にミスもなく次々と入れ替わるお客さんに対応していった。
「小林くん、仕事の覚えが早くて助かるわ。接客経験あったの?」
ランチの忙しい時間が終わり、店長の作ってくれた賄いのオムライスを食べていると、奥さんに話しかけられた。
「いえ、初めてのアルバイトです」
そこから奥さんと店長に誉め殺しにされる。誉められて悪い気はしないが、少しずつ恥ずかしくなってきた。