運命を変えるため。
感傷に浸りながら、少し走ってみようかな、と思った俺は、駅までゆっくり走り始めた。
人通りの少ない道なので、人目は気にならない。
しかし、走り始めてすぐに、俺は足を止める。
「やっぱり、駄目か」
インターハイ出場を逃す原因となった事故を思い出し、少し切ない感情が湧いてくる。
走るには、俺の足は傷みすぎているようだ。
もう割り切っていたつもりだったが、件の事故は自身で想像している以上に、俺の心に大きな穴を作っているようだった。