運命を変えるため。

 カラオケも盛り上がってきた頃、俺は席を立った。それに赤石も続く。
 佐藤に目配せする赤石を見て、気を利かせたのかと納得した。しかし、数分後に赤石の思惑の真意を知ることになる。

 先ほどの言葉の通り、俺はトイレに入り、用を足すとすぐにそこを出た。
 薄々感付いてはいたが、そこには赤石が居た。

「やっぱり、すぐには帰らないんだな」

 俺が笑いながらそう言うと、赤石は少し困ったような表情を見せる。
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