運命を変えるため。

 赤石は時折こちらに視線を寄越しながら、俺が言葉を待っていることを悟ると、一語ずつ丁寧に、それでも確実に言葉を紡ぐ。

「あのね、もうわかってると思うんだけど……」

 俺の様子を窺いながら、恥ずかしそうに一度視線を外したかと思うと、小さく深呼吸をする。
 そんな赤石を見ていると、俺まで緊張してきた。

 深呼吸を二、三度繰り返したかと思うと、意を決したかのように顔をあげた。
 その表情には、先程まで見られていた迷いは消えていた。

「私ね、小林君のことが、好き……なの」
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