運命を変えるため。

 そして迎えた、日曜日。
 目覚まし代わりにセットしていた携帯のアラームが鳴るより早く目が覚めた俺は、そのままベッドを降りた。

 11時に駅前での待ち合わせなので時間は十分にある。しかし、それまでに寄らなければならないところもある。

 一階に降りるとラップのかけられた朝食が準備されていた。冷蔵庫から牛乳を取り出して、コップに注ぎながら、また笑みがこぼれる。

「何にやにやしてんだよ、気持ち悪い」

 いきなり声を掛けられて、驚いて持っていたコップを落としそうになる。現実に戻した声の主は、俺の兄貴だった。
 白い目を向ける兄貴に適当に返事をして、俺は朝食をとった。
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