ヘヴィノベル
前島は無言でうなずき、自分のバッグから例のディスクが入ったプラスチックのケースを取り出して上条さんに手渡した。上条さんはソファから立ち上がりながら言った。
「よし、良平、さっそく解析とコピーを頼める?」
眼鏡をかけた方の人が「オーケー、姫」と応じる。上条さんは俺と前島を手招きしながら言った。
「あなたたちも一緒に見ていきなさい。あ、この二人の紹介がまだだったわね。そっちの筋肉バカっぽいのが副委員長の竹本洋介。こっちの青白き秀才風が書記の風間良平」
奥の部屋に移動する途中の廊下で風間さんがそっと俺たちに耳打ちした。
「な、あの口の悪さ。いいとこのお嬢様には思えないだろ?」
その部屋は三十畳はあろうかという巨大な書斎風の部屋だった。片隅には高そうなパソコンやらオーディオセットやらその他見たこともないハイテクな機械が置いてあった。風間さんがパソコンにつながっているデッキにあのディスクをセットし、パソコンをちょいちょいといじる。
「ふうん、映像データだな。けっこう長いけど、今見るかい?姫」
風間さんがそう言うと上条さんはすかさず言った。
「もちろん」
「分かった。じゃあ、見ながら同時にデータのコピーを取ろう」
そしてパソコンの馬鹿でかいモニタースクリーンに次々とビデオで撮ったらしい映像が流れだした。見ているうちに俺は頭の中がぐるぐると回りだしたように感じた。そこに映っていたのは、俺が世間の常識だと信じて疑った事もない今までの俺の世界観を根底からひっくり返す物だった。
そして、それは前島にとっても同じだったと思う。
「よし、良平、さっそく解析とコピーを頼める?」
眼鏡をかけた方の人が「オーケー、姫」と応じる。上条さんは俺と前島を手招きしながら言った。
「あなたたちも一緒に見ていきなさい。あ、この二人の紹介がまだだったわね。そっちの筋肉バカっぽいのが副委員長の竹本洋介。こっちの青白き秀才風が書記の風間良平」
奥の部屋に移動する途中の廊下で風間さんがそっと俺たちに耳打ちした。
「な、あの口の悪さ。いいとこのお嬢様には思えないだろ?」
その部屋は三十畳はあろうかという巨大な書斎風の部屋だった。片隅には高そうなパソコンやらオーディオセットやらその他見たこともないハイテクな機械が置いてあった。風間さんがパソコンにつながっているデッキにあのディスクをセットし、パソコンをちょいちょいといじる。
「ふうん、映像データだな。けっこう長いけど、今見るかい?姫」
風間さんがそう言うと上条さんはすかさず言った。
「もちろん」
「分かった。じゃあ、見ながら同時にデータのコピーを取ろう」
そしてパソコンの馬鹿でかいモニタースクリーンに次々とビデオで撮ったらしい映像が流れだした。見ているうちに俺は頭の中がぐるぐると回りだしたように感じた。そこに映っていたのは、俺が世間の常識だと信じて疑った事もない今までの俺の世界観を根底からひっくり返す物だった。
そして、それは前島にとっても同じだったと思う。