ヘヴィノベル
「え?」
 違う!そうじゃない!だが、その俺の沈黙を肯定と受け取ったらしく、クラスメートたちの話はさらに盛り上がる。
「じゃあ、本屋とかではさ、文学作品が普通の棚に置いてあった、エッチありのマンガとかが18禁コーナーに置かれるようになるわけ?」
「あはは、確かにそうなるよな。面白いじゃん」
 ダメだ!俺の悪い頭じゃうまくみんなに説明できねえ!頼む、前島、ここはおまえの出番だ。俺は藁にもすがる思いで、テーブルの下でみんなから見えないように前島の手をつかんで合図を送った。だが、その前島の手ははっきり分かるほどブルブルと震えていた。
 そうか、前島もどうしていいか分からないのか。俺と前島は顔は笑ってクラスメートたちの言葉を聞きながら、お互いに震える手を握り合いながら、黙ってその場を見ているしかなかった。
 俺の頭の中に園田先生の言葉がまたリプレイされる。きっと前島も同じなんだろう。そう、あの時先生はこう言っていた。

 誰も気づかないうちに……ある日突然にね
 
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