TAP BABY
第1章
憧れ
「おはよう、りんご。」
テーブルに並べられた朝ごはんを食べながら新聞を読むパパ。
向かい側の席にはきちんとあたしの分も並べられていて、おいしそうなオムレツからは、まだ湯気がたっていた。
「おはよう♪」
今日から2学期がはじまる。
この間高校に入学したのに、、、早いものだ。
あたしは席について、オムレツとサラダを頬張る。
「パパ、すっかり料理得意になったね。」
あたしがそう言うとパパはニコッと笑った。
「ママがいなくなって、もう12年もたったからなー」
「そうだね。」
あたしはママの写真に目を向けて、ハッとして時計を見た。