薬指の秘密。~王子とニートと時々乙女~
春日 栞の日常。
今日は月曜日、
時刻は正午。
世の20代半ばの女性は
働きに出ている時間。
そんな時間になって
目を覚ました20代半ばの女が一人。
「んーっ、日がまぶすぃーね
あれぇ? まだ昼じゃん~
もう一回寝るしかな「栞っ!いい加減にお・き・てっ!」
自分の寝ている二段ベッドの上の段から妹の來(ライ)にしかられて
二度寝を諦めて
仕方なく布団をはいで
起き上がる。
「來ぃ~、勘弁してよぉ~
お姉さまは夜勤明けなんだから」
「黙りなさい、ニート
そのくだり飽きたわ
いい加減に就活始めなさい」
ボケてみたけど
精神年齢30才の高3に言っても
このおもしろさは伝わらないか~
「誰が30代よ。
いい加減に黙らないと
その口一生開けないようにするわよ」
ありま、
心の声漏れてたか。
「ゆるしてぇ、
お姉ちゃん、來ぽんのこと
世界で一番好きよぉ?」
「と、鳥肌が…!」
「そんなにうれしい?
お姉ちゃんもうれしいよ」
「そういう意味の鳥肌じゃないわ
嫌悪、というより殺意が湧いたわ」
「まぁ大変、
そっちだったのぉ?
ごめんね★テヘ」