私だけ見てて。お願い。
終業式はあっという間に終わった。

学年集会では、夏休みの過ごし方についてだらだらと長い話が続いた。

だいたいの人が話を聞かず、眠っている。


最初の方は、先生はみんなを起こしていたけど、あまりにも長い学年主任の話に疲れて、目を閉じている先生もいた。



加藤先生は背筋を伸ばしてちゃんと聞いている。
だから、わたしもちゃんと聞いていた。視線は学年主任の方には向いてないけどね。


1学期最後の終礼。


「1学期、あっという間だったなあ。しっかり勉強してしっかり遊んで。高1の夏は人生に一回しかないんだから。恋もちゃんとしろよ。」


高1の夏って1度きりなのかあ。頭ではわかってるけど、1度きりと思うとなんだか切ない。
しかも、恋もちゃんとしろよって。。。



先生に恋しちゃいけないのかな??先生、答えてよっ。。。




「お~い、杉野、大丈夫か??」

「おっ起きてます!!」

「起きてるのは分かってるけど、なんか怖い顔してたぞ。」

「だっ大丈夫です。」

「それならよかった。じゃあ、僕の話は終わりにします。また2学期な。元気に学校来いよ~。沖縄に行く人はまたその時な。さよなら~。」

「さよなら~。」

あと会えるのは研修旅行だけかあ。。。
なんかさみしいよー。もっと学校行きたかったよー。

「愛梨、そろそろ帰ろうかあ?」「沖縄でもまた会えるんだしさっ。」




「さよなら言ってから帰っていい?」

「「いいよっ。」」





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