ルチア―願いを叶える者
それにしても………
私はレビアス高原を見渡す。
馬で翔けているからかな、まるで風になったみたい。
「花音?どうしました?」
「え!?」
「ぼーっとしていましたよ」
ぼーっとしたくもなる。
こんなに綺麗な自然は、私の世界にはなかったんだもん。
「綺麗な景色を見ながら、風を感じてたの。こんな大自然、初めて見たから…」
建ち並ぶビル、行き交う人の波。星空さえ見えなくする都会の街明かり。
自然とは程遠い、人間の手によって造られた世界。
空気も汚れ、人の心さえも汚れてしまった私の生きる世界…
本当の自然って、この事をいうんだ…
「自然を楽しむ余裕があるとは…。普通、女性は馬に乗り走る事を恐れるものなのですが…」
「え、そう?こんなに気持ちいいのに!!アルのお馬さん、本当に足が早いんだね!!」
二人も乗せてるのに、軽やかに走ってるんだもん。
本当にすごい!!