ルチア―願いを叶える者
「テラは俺と共にに育ち、共にいくつもの戦場を翔け抜けた相棒です。ちょっとやそっとの衝撃じゃ動じませんよ」
アルの相棒………
テラって言うんだこの子…
アル、本当に自慢げに話すんだな…
アルにしては珍しい。
テラの事、本当に大切にしてるんだ。
「テラ、私を乗せてくれてありがとう。あなたのおかげで、こんなに素敵な体験が出来た!!」
「…つくづく不思議な人ですね、あなたは…」
「不思議?」
不思議って何がだろう…
私、結構わかりやすい性格してると思ってたんだけどな…
「馬は怖がらない、世界を救うだなんて言い出す、その小さな体で、俺達を守ると言う…。それを不思議と言わないで、何と言うんですか」
「うっ…」
だって馬を怖がる意味がわからないし、世界を救うのも私にしか出来ない事だからだし、二人を守りたいのは、守られるだけの弱い自分でいたくないから…
「そんなあなただから、俺は目が離せない…」
「へ…?」
「スピードを上げますよ、口を閉じてて下さい。舌を噛みますよ。…ハァッ!」
―パチンッ
「早ーいっ!!痛っ!!!舌噛んだーっ!!!!」
「…あなたは馬鹿ですか?あなたの脳みそはただの飾りのようですね」
「口を閉じる前にテラがスピードを上げたんです!!」
アルの馬鹿!!!
やっぱり腹黒鬼畜男だ!!