ルチア―願いを叶える者


「だがまずは休息が必要だな。少し仮眠をとってからこれからの行動を決めるでいいだろう」


シェスの提案にみんな賛成だった。


「なら城へ、石しかないけれど、壁があったほうが安心だもの」


メルの薦めで私達は城へ行くことになった。



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城の石のベッドに横たわるみんなの手当てを始める。

やっぱり深い傷ばかりだった。



「…傷、痛むよね…」


みんなの手当てを手伝いながら尋ねる。


罪悪感でいっぱいだ。


「花音、お前のせいじゃない。そんな顔をするな」


シェスは困ったように笑った。


「そんな無駄な心配するより、俺達が気を失っていた間の話をして下さい」

「無駄って…。むぅ…わかったよ……」


いつも通り毒を吐くアルに感謝した。


だから私もいつも通りでいられる。


ありがとう、アル…


それから私は、あった事を全て話した。













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