ルチア―願いを叶える者
「二人は何を話してるんですか?」
「花音は気にしなくて大丈夫よ。いずれ、あなたが求める人を選べばいいのだから…」
意味深に笑うメル様に私は首を傾げる。
本当に何の話????
「それにしても、あの女、ルリといったか。ルリは花音を狙ってるみたいだな」
「そうですね、恐らくルチアの力が目的でしょう」
シェスが話を戻すと、アルも顔を引き締めた。
「花音の話だと、ルリもルチアなのよね?」
メル様の問いに私は頷く。
でも、だった…がただしいのかな…
「ルリは100年前のルチアなの」
私の言葉にみんなが息をのむ。
そりゃびっくりするよね…
100年前だなんて、普通は生きていないもん。
「ルチアの力でルリはこの世界で復讐する為の体と力を持ったの」
降り積もった憎しみが、無垢だったルリを変えてしまった。
私達は染まりやすい…
ルカがそんな事を言ってたっけ………