ルチア―願いを叶える者


「私、ルカに沢山助けられてきたの…。ルカの言葉が私を導いてくれた…」


あなたがいなくちゃ、何も出来ずに立ち止まってた。

「今こうして、私が歩みを止めないでいられるのは、ルカがいたからだよ…。ありがとう、ルカ…」


私に出会う前のまだ若いルカ。


未来でもあなたに出会いたい。


「あなたを探すから。見つけだすから、そしたら…」


そうしたら……


「ちゃんと私を抱きしめて。今度は夢なんかじゃない、現実で…」

『…花音………』

「あ………」


優しく、寂しげに笑う目の前のルカは、大人のルカの笑顔にそっくりだった。


不安になる…
ねぇルカ……


私達、ちゃんとまた出会えるよね……?


『僕の大切な花音…。きっと、君がいる未来は僕が恐れた未来になっているんだろうね…』


ルカは悲しげに空を見上げた。


『ルリは、世界を壊してしまったのだろうか…?』

「え………?」


ルリが世界を壊そうとしている事、この時のルカは知ってたの…?


「ルカ、あなたとルリは一体…」


―グワンッ


また時空が歪む。


「っ…ルカ!!」


またどこかに飛ばされる!!
まだ、ルカに聞きたい事があるのに!!!









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