ルチア―願いを叶える者
「おい、アル」
「……………………」
なんて言ったら……
「おい」
―ドカッ
「!!!?」
突然頭に衝撃が走った。
「聞いてるのか、アル」
どうやらシェスが俺の頭に鉄拳を落としたらしい。
「…何するんですか…」
「何するんですか…じゃないだろ。一体どうした?」
「どうしたって何が」
「敬語がなくなってる上に上の空ときた。これでも分からないか?」
シェスは困ったように笑う。
本当だ…
どうやら、自分が思っていた以上に思い詰めていたみたいですね……
「俺は、花音に嫌われたかもしれません…」
「は?なんだいきなり」
「実は…」
そう言って先程の出来事を一通り話した。