ルチア―願いを叶える者
「全く…気づけば花音は俺達にとって大きな存在になっているな…」
シェスは優しい笑みを浮かべ、花音の頭を撫でた。
「えぇ、本当に……っ!!」
―バリンッ!!!
「何だっ!!!?」
突然宿屋の窓ガラスが割れた。
「ここか…」
そこには黒いローブを羽織った怪しい人間が数人立っていた。
その手には…
「花音!!!!」
眠る花音が黒いローブの人間達に抱えられていた。
「くそっ…目的は花音か」
シェスは剣を抜き、構えた。
俺もシェスに続き剣を構える。