ルチア―願いを叶える者
「お前達と戦っている暇はない…」
ローブの男は片手を天へと向ける。
「出でよ、魔を司りし古の支配者達よ」
―ギィィィンッ!!!!
まるで黒板を鉄の爪で引っ掻いたような嫌な音が辺りに鳴り響く。
「またかっ…アル、魔物が来るぞ!!」
「わかっています!!」
目の前に5体の魔物が姿を現した。
「あの100年前のルチアとかいうルリの仲間か…?」
「魔物を使役するのを見れば少なからず関係者でしょうね」
この魔物、まともに相手をしていたら花音を奪われてしまいます…
どうしたら……
『…僕の声を………』
「…何か言いましたか、シェス王子」
「いや、俺じゃない…」
シェスにも聞こえているのか、辺りを見渡している。