ルチア―願いを叶える者
「…にしても…」
…雨降りそうだな。
こりゃ早く仕事しねぇとな。
―ピーッ!!!!!
首から下げていた笛を吹くと、一羽の鷹が腕へと降りてくる。
「ラウ。どうだ、めぼしい宝はあったか?」
「キュゥーィ!」
鷹、ラウは何かを見つけたのか、また空へと羽ばたく。
「…こっちか」
ラウへと続き、走っていると、国の兵士の姿がちらほら見えた。
…なんだ……?
なんかあるのか…?
どうやらラウの見つけたものは相当価値のあるものらしい。
「村から出てそう遠くないこの森に国の奴らが来るなんて珍しいな…」
魔物が出るからって誰も近付かないってのに…
近くの木に登り、兵士達の動きを探る。