ルチア―願いを叶える者
「よそ見なんて…余裕ですね?」
「っ!!しまっ……」
アルはルリの背後に回り、剣を振るった。
―バチバチバチッ
「うっ…あぁっ!!?」
炎がルリを飲み込む。
「外さねえ……よっ!!!!」
―シュンッ
どこから現れのか、ロイの短剣がルリの刻印へと刺さった。
―パリンッ
「ぁ…はっ……」
私の刻印が…消えた…?
「チッ…人間ごときにぃ!!」
「その人間ごときにやられているあなたは…なんなんでしょうね?」
アルは黒い笑みを浮かべ、剣を構える。
「くっ…はぁっ…命びろいしたわね…花音…」
ルリの傷がゆっくりと塞がっていく。
「ルリ……。いつまで…続ける…の…?こんな事をしても…あなたは…救われない……」
「…知ったような事を言わない事ね。私はこの程度では死なないわ。せいぜい足掻く事ね、下等な人間ども」
―グワンッ
空間が歪む。
その中にルリの姿が消えた。