ルチア―願いを叶える者


「…花音、大丈夫か?」


シェスが私の体を支えてくれる。


「うん…大丈夫。みんなが、刻印を壊してくれたから…」


少し苦しいけど、これなら立てそう…


「よい…しょっ…」


ぐらつく体をシェスに支えてもらいながら私は立ち上がった。


「私には、やらなきゃいけない事が残ってるから…」


まだ、この村が救われたわけじゃない。


ルリを退いたとしても、ルリの深い憎しみはまだ残ってる。


「花音……」


アルは何か言いたそうに私の名前を呼んだ。


アル……

ごめんね、心配ばかりかけて…


ありがとう……














< 217 / 403 >

この作品をシェア

pagetop