ルチア―願いを叶える者
「…花音、大丈夫か?」
シェスが私の体を支えてくれる。
「うん…大丈夫。みんなが、刻印を壊してくれたから…」
少し苦しいけど、これなら立てそう…
「よい…しょっ…」
ぐらつく体をシェスに支えてもらいながら私は立ち上がった。
「私には、やらなきゃいけない事が残ってるから…」
まだ、この村が救われたわけじゃない。
ルリを退いたとしても、ルリの深い憎しみはまだ残ってる。
「花音……」
アルは何か言いたそうに私の名前を呼んだ。
アル……
ごめんね、心配ばかりかけて…
ありがとう……