ルチア―願いを叶える者


『面白い。我とお前、ちょっとした遊戯をしようではないか』

『遊戯?』

『我は世界を滅亡させる』

『!!!!』


この悪魔………
もともと世界を存続させる気なんてない…


『お前はそのルチアで世界を存続させよ』


人も遊びの一つでしかないのか…


『僕は彼女を遊びの道具にはしたくない』

『綺麗ごとだな。ルチアに選ばれた時点でろくな運命を辿らないのだ。余興があったほうが人の生も彩るというものだ』


…させない。
彼女は僕が守る。


そして……
ルチアが悲しみに涙しないように。


ルチアと、この世界の未来。重荷となってしまう事はわかってる。


それでも……


『僕は彼女を信じてる。お前の思い通りにはならないよ』

『成立だな。100年後、お前の妹も時代ルチアの試練として使わせてもらうぞ』

『!!?』


―グワンッ


空間が歪み、ルリの体が黒い闇に飲み込まれていく。


『待て!!!ルリは関係ない!!連れて行くな!!!』


必死に手を伸ばす。
その手が何度も空をきる。


『ルリは逃れられない。こいつは永遠の復讐を願ったのだからな…』


『…ルリ……。君はそこまで…』


追い詰められ、追い詰められて壊れてしまった。


優しかった可愛い僕の片割れ。


双子の妹……



『ルリーっ!!!!!!』



叫びも虚しく、ルリの姿は闇に溶けて消えた。









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