ルチア―願いを叶える者
『君が…くれた紙…と…筆で妹に…手紙を…書いたんだ…』
もう生きて手紙を渡す事は出来ない。
だから……
『この手紙…を…100年の…間…。持っていて欲しい…』
『100年!?』
『頼むよ…シェア…』
この世界に残す妹へ、僕の愛を込めて。
最後の手紙だ。
『わかった。お前の頼みなら何でも聞く』
『ははっ…すまない。君には頼ってばかり…だね…』
『頼っていたのは俺の方だ、ルカ。俺と出会ってくれてありがとな…。お前には感謝したりない…』
『僕も…君に出会えて…良かったっ…』
苦しい…な……
そろそろ…
『ルチアの力よ…』
―パァァァァッ!!!
光が瞬く。
『さよなら…だ…』
『お前は俺の親友だ。どこの世界にいても…ずっと…』
…僕が消えて…
君もこの世界での生を終えた時。
僕の生まれ変わりである彼女と君の子孫が出会えたらいいな…
彼の優しさが…
何代もの王に継がれますように…
『ありがとう…僕の…』
大切な親友……