ルチア―願いを叶える者
「花音?目が覚めたんですね」
「あ…アル…」
アルがカップを手に、部屋に入ってくる。
「良かった…」
「!!」
アルが…手を……?
包み込むようにアルは私の手を握る。
「あなたにちゃんと謝りたかった。俺はあなたにひどい事を…」
「…アル……。それなら私だってアルやみんなに謝らなきゃ…」
私を守る為にみんなは異質な力を手に入れた。
力があるというだけで利用される可能性だってある。
私はみんなを危険にさらしてるんだ…
「力の事…ですか?」
アルの問いに頷く。
「俺はルリや魔物を相手にしたとき、自分の無力さを思い知りました。あなたを守れない自分が悔しかった…」
アル………
「でも…ルカさんが俺達に力をくれた。それであなたを守れるなら、願ったり叶ったりなんですよ」
アルは今まで見たことのないような優しい笑みを浮かべた。