ルチア―願いを叶える者
「無駄な事考えんな」
「ロイ……」
ロイは私の隣に腰を降ろす。
ロイの事、巻き込んでしまったのに…
どうして優しい言葉をかけてくれるんだろう…
私、みんなに何も返せてないのに…
「…俺、お前と一緒に旅すっから」
「……………え!?」
今なんと???
「だから、俺もお前についてくっつってんだ」
えぇっ!?
な、何で………
「ロイは関係ないのに…。私を助けてくれた、命の恩人をこれ以上巻き込むわけには…」
「あー!!!!うっせぇ。俺が望んでついてくっつってんだよ」
えぇぇぇっ…………??
「俺等の村を守ってくれた礼だ。目的果たすその日まで、お前を守ってやる。ほって置くとすぐ死にそうだからな」
「ロイ……」
皮肉のように聞こえるけど、これがロイの優しさなんだって分かる。
ねぇ私……
一人じゃないね?
一緒にいることで、みんなを危険な目に合わせてしまうかもしれない。
それでも……
傍にいてくれる。
そう言ってくれた。
なら……
「私も…もう迷わない。一緒に…世界を守ろう」
この手が、必要とされるなら…
たとえ全てを救えなくても……
私は何度も手を伸ばそう。すり抜けていくものさえ諦めずに最後まで…