ルチア―願いを叶える者


「無駄な事考えんな」

「ロイ……」


ロイは私の隣に腰を降ろす。


ロイの事、巻き込んでしまったのに…


どうして優しい言葉をかけてくれるんだろう…


私、みんなに何も返せてないのに…


「…俺、お前と一緒に旅すっから」

「……………え!?」


今なんと???


「だから、俺もお前についてくっつってんだ」


えぇっ!?
な、何で………


「ロイは関係ないのに…。私を助けてくれた、命の恩人をこれ以上巻き込むわけには…」

「あー!!!!うっせぇ。俺が望んでついてくっつってんだよ」


えぇぇぇっ…………??



「俺等の村を守ってくれた礼だ。目的果たすその日まで、お前を守ってやる。ほって置くとすぐ死にそうだからな」


「ロイ……」


皮肉のように聞こえるけど、これがロイの優しさなんだって分かる。



ねぇ私……
一人じゃないね?


一緒にいることで、みんなを危険な目に合わせてしまうかもしれない。


それでも……


傍にいてくれる。
そう言ってくれた。


なら……


「私も…もう迷わない。一緒に…世界を守ろう」


この手が、必要とされるなら…


たとえ全てを救えなくても……


私は何度も手を伸ばそう。すり抜けていくものさえ諦めずに最後まで…













< 239 / 403 >

この作品をシェア

pagetop