ルチア―願いを叶える者


「あなたは…人だね…?」

『ナゼ…分カルノダ…?コンナ醜イ姿ナノニ…』

「わかるよ…。私、あなたの声が聞こえる。殺したくないって…」

『アァッ…』


魔物は泣いているように見えた。


「花音?どういう事です?」

「魔物の動きが止まったな」


「おい、今が好機じゃねぇのか!?」


皆の声が聞こえる。
それでも今はこの人から目をそらせない。


そらせばもう…
分かり合えない気がする。









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