ルチア―願いを叶える者


「花音……」

「花音?なんです?」


シェスが私の名前を呼ぶと、アルは首を傾げた。


「ルチアは役職名だ。こいつは花音、花の音と書くらしいぞ」

「へぇ…花音…ですか。花には見えませんが良い名です」


「………………………」


確かに綺麗でも華やかでもないけど…


ひどい……


「花音は綺麗だ。お前もそう思ってるくせに」

「さて、花音の質問に答えてあげたらいかがです?」


「お前な…………」



話しをそらすアルにシェスは呆れる。


「まぁいい。…花音、無理に頑張ろうとしなくていいんだぞ?」

「無理じゃないよ、この世界に来た理由が、シェス達の願いと関係がある気がするの。だから、私は知りたい」



それから………


「私に泣かないでって言ってくれた二人の力になりたいって思ったから…」


私に出来る事、あまりないかもしれないけど…


私にしか出来ない事も見つかるかもしれない。








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