ルチア―願いを叶える者
「…うっ…助け……」
―花音…
名前を呼ばれた気がした。荒れ果てたこの場所に、私以外いるはずはないのに…
―花音…
「…あ…ぁ…」
ねぇ、助けて…
私を助けて………
「一人に…しないで…」
―一人じゃありません…
一人じゃ…ない…?
でも…誰もいない…
私はやっぱり…
「一人…」
「花……!!」
あぁ…
今度は近くに誰かを感じる。
「あ……」
誰もいないはずなのに、私の手は誰かに握られている。
どうして……?