ルチア―願いを叶える者
「花音」
私の名前を呼ぶアルがいた。
「あ…」
また涙が流れる。
気付けば私はベッドに横になっていた。
ここは…良かった…
荒れ果てた大地じゃない。
一人じゃ…ない。
私の手を握るアルがいる。
「私…」
私…一人じゃない。
「良かっ…」
喉が詰まる。
嗚咽と想いが邪魔して言葉にならない。
悪い夢で良かった。
目が覚めて良かった。
「アル…ありがとう…」
私を見つけてくれた。
あの荒れ果てた大地に一人、怯えてた私を…
見つけてくれてありがとう…