ルチア―願いを叶える者
「俺は…あなたが…」
アルの顔がゆっくりと近づいてくる。
「あ…」
言葉が出ない。
ついに吐息が交わる距離まで近づいた。
このまま…
何も言わずにいたら、私…
アルと一つになるのかな…?
そう思うと、ストンと心に落ちたものがあった。
私……
この人が好きだったんだ…
一番近くにいて、私を見ていてくれた人…
この人とだったら…
全てをあげてもいい…
自覚するとどんどん愛しくなる。
ずっと…一緒にいられたらいいのに…
そう願っても…
叶わない…