ルチア―願いを叶える者
「シェス…ううん、なんもないよ…」
誰にも言えない。
私が死ぬなんて言ったら、みんなは力を使わせてくれなくなる。
「そうか…」
シェスは少し悲しそうに笑って私の頭を撫でた。
「いいか、お前は一人じゃない」
「…え……」
「お前一人守るくらい造作もないぞ」
…シェス……
私が一人で考えてるの、気づいてたんだ…
たぶん、みんなも…
「お前はもうルアーネの民だ。俺の守るべき民で、大事な仲間だ」
「うん…」
ありがとう…シェス。
お兄ちゃんみたいな人。
私を守ってくれて、見守ってくれる…
大切な人……