ルチア―願いを叶える者
「ダン、なんで港の奴等は船を出したがらねぇんだ?」
ロイの問いで、みんなの視線がダンへと集まる。
そうだ、その理由、ダンさんなら知ってるかも!!
「…あそこは…もう国ではありません…」
そして、告げられたのは耳を疑うような言葉だった。
「どういう…事…ですか?」
国じゃなくなったって…
一体何が……
「数日前、船乗りとしてリグナへ入った時の事です。町は荒れ果て、人は誰一人としていない。いたのは…」
ダンさんは怯えたように震えていた。
「魔物と…死神…」
「死に神…?」
「はい。そこにいたのは魔物の群れと鎌を持った死神でした…」
死神……
魔物が死神にでも見えたのかな…