ルチア―願いを叶える者
「…じゃない……」
ちゃんと拒絶しなきゃ…
これ以上、私自身も傷つかないために…
「好きじゃないから…」
「……っ……」
アルが傷ついたような顔をする。
ごめんね…
ごめんね……
「私、アルの事…好きとか、そういう気持ちでは…」
「…わかりました…」
…………嘘…
本当は…本当はあなたが…
「俺も、どうかしていたみたいですね。あなたが好き…だなんて、気のせいです。あなたも忘れて下さい」
淡々と言うアルの顔を見れない。
アルは私に気を使ってくれたんだと思う。
気にしないようにって…
でも……
忘れるなんて、なかった事になんて出来るはずないよ…
「…体を壊さないように、早く部屋に戻ったらどうです?阿呆は病にかからない…と言いますしね」
…馬鹿は風邪ひかない…?
でも…
阿呆でも馬鹿でも、心は病にかかるみたいだ。
だって…
こんなに苦しい…