ルチア―願いを叶える者
「誰です?」
「…私の…お母さん…」
会った事はないけど、私を愛してくれたお母さん…
『…そうだ。お前もルチアになっていたのだな…。なんと皮肉な…』
声は怒りと悲しみが混じったような声音だった。
「お母さんを知ってるの…?」
『あぁ。恐らく誰よりも知っているだろうな』
「どういう…事……?」
初代ルチアのお母さんを知る人間がいるはずない。
何百年も前の話しだ。
『我の姿を見れば分かるであろう。お前は花鳴の記憶と想いを継いだのだから…』
そう言った途端、目の前により一層濃い闇が人型を象った。
なに………?
でも、それは出来上がるにつれて見覚えのあるものへと変わる。